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古物商許可にかかる費用のすべて | 申請から開業まで、結局いくら必要?

「古物商の許可を取りたいけれど、結局いくらかかるの?」
"申請手数料:19,000円"という数字を見つけて、

  • 他にもお金がかかるんじゃないの?
  • 書類を取るのにもお金ってかかる?
  • 標識とかプレートって何?それも買うの?
  • 行政書士に頼んだら、いくらプラスになる?

…と、モヤモヤすることはありませんか?たしかに、古物商許可の取得には、まず申請手数料として19,000円(全国一律)がかかります。

しかし、実際に開業まで進めるには、手数料以外のお金も必要になります。

あとから「思っていたより高い…」と慌てないためにも、最初に「トータルでいくらかかるか」を把握しておくと安心です。

この記事では、古物商許可の取得から開業までにかかる費用を、項目別にわかりやすく整理して解説します。

目次

古物商許可にかかる費用の全体像

古物商許可の取得から開業までにかかる費用は、大きく分けて次の3つです。

費用項目金額の目安内訳の例
①申請関連費用20,000〜25,000円申請手数料19,000円 + 書類取得費用1,000〜6,000円(※)
②開業準備費用3,000〜10,000円標識、古物台帳、URL資料など
③営業所関連費用0〜数十万円自宅なら0円/賃貸事務所なら初期費用が発生

(※)内訳:個人目安1,000~2,000円程度、法人目安4,000~6,000円程度(役員数によって変動)

合計目安:約23,000円〜

それぞれの費用を詳しく見ていきます。

①申請関連費用はいくらかかる?

1. 申請手数料:19,000円(固定)

  • 古物商許可の申請手数料は、全国一律19,000円です。
  • 都道府県による金額の違いはありません。

支払い方法の例

  • 収入証紙または収入印紙(自治体による)
  • 一部自治体ではキャッシュレスや現金決済も可
    • 例:神奈川県警…キャッシュレス対応 など

2. 書類取得費用:1,000〜6,000円

申請時に必要となる各種証明書を取得するための費用です。

書類費用の目安備考
住民票の写し300〜400円住所地の市区町村
身分証明書300〜500円本籍地の市区町村
登記事項証明書(自己所有不動産がある場合)600円法務局で取得
郵送請求の送料200〜500円往復分
定額小為替の手数料200円/枚郵送請求時に使用

個人申請の合計目安: 約1,000〜2,000円
※本籍地が遠方の場合は、郵送請求分の送料・小為替手数料が少し増えます

法人申請の場合:約4,000~6,000円
※役員の人数によって書類取得にかかる費用が変わります

例:役員3人の法人の場合

  • 個人申請分の書類 … 約1,500円
  • 法人の登記事項証明書 … 600円
  • 役員3人の住民票・身分証明書
    →(400円 + 400円)×3人 = 約2,400円

合計:約4,500~5,000円

②開業準備費用はいくらかかる?

1. 古物商標識(プレート):1,000〜5,000円

古物商許可を取得したら、営業所に標識を掲示する義務があります。

購入方法

  • ネット通販(Amazon・楽天・専門店など)
  • 看板業者に発注(特注デザインなど)

価格の目安

  • アクリル製:1,000〜3,000円
  • ステンレス製:3,000〜5,000円
  • 特注デザイン:5,000円〜

2. 古物台帳:0〜1,000円

古物商は、取引内容を古物台帳に記録する義務があります。

古物商台帳の例

  • 市販のノート:0〜500円(普通のノートでOK)
  • Excel・Googleスプレッドシート:0円(フォーマットを自作)
  • 専用の台帳ソフト:月額1,000〜3,000円(必要であれば)

多くの方は、最初はExcelや市販のノートからスタートしています。

3. URL使用権限疎明資料:0〜200円(ほぼ印刷代のみ)

ホームページやネットショップで古物を販売する場合、
そのURLを使う権限があることを示す書類が必要です。

必要となる資料の例

  • ドメイン登録証明書(お名前.comなどの管理画面から出力)
  • レンタルサーバーの契約内容の画面を印刷したもの
  • プロバイダ発行の資料

費用の目安

  • 多くの場合、管理画面から無料でダウンロード・印刷可能
  • コンビニ印刷を使う場合:数十円〜数百円程度

③営業所に関連した費用はいくら?

営業所をどこに置くかで、費用が大きく変わります。

パターン1:自宅を営業所にする

費用:0円

自宅の一室を営業所にする場合、基本的に追加費用はかかりません。ただし賃貸物件の場合、大家さんや管理会社の承諾が必要なことがあるため事前に確認しておくと安心です。

パターン2:実家を営業所にする

費用:0円

所有者(親など)の承諾が得られれば、費用はかかりません。書類上は、所有者の承諾書が必要になるケースがあります。

パターン3:賃貸事務所を借りる

費用:数十万円〜

一般的には、以下の初期費用がかかります。

  • 敷金:家賃1〜2ヶ月分
  • 礼金:家賃1〜2ヶ月分
  • 仲介手数料:家賃1ヶ月分
  • 初月家賃:家賃1ヶ月分

パターン4:レンタルオフィス(個室タイプ)※条件を満たした場合

  • 費用:数万円〜
  • 敷金・礼金:少額または不要のケースが多い
  • 初月家賃:3〜10万円程度
  • 初期費用の目安:約5〜15万円

許可取得後に費用はかかる?

古物商許可を取った後にも、費用が発生することがあります。

1. 更新料:不要

  • 古物商許可には更新制度がありません。
  • 一度取得すれば、営業を続ける限り有効(取消事由に該当しない限り)。

2. 変更届出:手数料なし

  • 許可証に書かれている内容に変更がない場合
  • 変更届出を出す必要があり・手数料なし

3.書換申請:1,500円

  • 許可証に書かれている内容(氏名・住所・法人名称・本店所在地・代表者など)に変更があった場合
  • 手数料あり

参考サイト:警視庁「書換申請・変更届出」

よくある疑問Q&A

Q1. 不許可になったら、申請手数料19,000円は返金されますか?

返金はされません。古物商許可の申請手数料は、「許可が下りたことに対するお金」ではなく、「審査を受けるための手数料」なため。次のような場合でも返金されることはありません。

  • 申請が不許可になった
  • 途中で申請を取り下げた
  • 書類に不備があり、そもそも受理されなかった(この場合は納付前であることも多い)

参考サイト:大阪府警察「古物商許可申請」

Q2. 古物商許可に更新料はかかりますか?

かかりません。

古物商許可は、運転免許証と違って有効期限がありません。

  • 営業を続ける限り、許可はそのまま有効
  • 更新手続き・更新料も不要

ただし、許可証の内容に変更があった場合は、手数料がかかる可能性があります。

参考サイト:警視庁「書換申請・変更届出」

Q3. 行政書士に依頼するといくらかかりますか? 自分でやるのと比較したいです。

行政書士報酬は40,000〜50,000円前後が一般的です。

内訳のイメージ

  • 申請手数料:19,000円
  • 書類取得費用:1,000〜6,000円(実費)
  • 行政書士報酬:40,000〜50,000円

合計:約60,000〜75,000円

項目自分でやる場合行政書士に依頼する場合
申請手数料19,000円19,000円
書類取得費用1,000〜6,000円1,000〜6,000円
行政書士報酬0円40,000〜50,000円
合計20,000〜25,000円60,000〜75,000円
所要時間20〜30時間ほぼ0時間

時間単価で考えると…

  • 費用の差:40,000〜50,000円
  • 節約できる時間:20〜30時間

自分でやれば費用は抑えられるが、その分時間と手間は増えます。「自分の時間を買う」と考えて、状況に合わせて判断するのがおすすめです。

費用を抑える5つのコツ

1.自宅または実家を営業所にする
賃貸事務所を借りると、初期費用だけで数十万円かかります。自宅や実家を営業所にすれば、この分を丸ごと節約可能です。

2.書類は自分で取得する
行政書士に書類取得を任せると、その分費用負担は増えます。自分で市区町村役場や法務局に行けば、実費だけ(数千円)で済みます。

3.古物台帳はExcelまたはノートでスタート
専用ソフトは月額1,000〜3,000円とサブスク費用が発生します。費用を抑えるならば、最初はExcelやノートで対応しても良いでしょう。

4.標識はネット通販で購入
特注品の標識を購入すると割高になりがちです。Amazon・楽天などなら、1,000〜3,000円程度でしっかりしたものが買えます。

5.営業所候補は事前相談で確認する
申請手数料19,000円は返金されません。営業所として使えるかどうかなど不安なことがある場合は、事前に管轄警察署で相談(無料・30分〜1時間)しておくと安心です。

「費用」と「時間」をどう使うか

自分で申請すれば、2〜4万円程度に費用を抑えることができます。一方で、こんな場合は行政書士などのプロに相談するメリットも大きいでしょう。

  • 本業が忙しく、書類準備に20〜30時間もかけられない
  • 役員が多く、書類を集めるだけでも大変
  • 営業所や書類に不安があるし、審査落ちして「19,000円を無駄にしたくない」

書類と格闘する30時間よりも、古物商開業の準備に集中する30時間にお金を使う、という考え方もひとつです。

安心して最短で事業をスタートするために

古物商開業の費用相場は、申請を「誰が」するか、営業所を「どこ」にするかによって変動します。費用を抑えたいなら

  • 自宅・実家を営業所にする
  • 書類を自分で取得する

ことで、最低限の費用にグッと近づけます。時間と安心を重視するなら

  • 行政書士などのプロに依頼
  • 自分は「仕入れ・販売・集客」といった業務に集中

という選択肢も十分ありです。ご自身の状況に合わせてよりスムーズに、古物商開業の一歩も踏み出しましょう。

参考サイト:警視庁「古物商許可申請」「古物営業」

✍️ この記事の執筆者情報

執筆者: 古物商開業ガイド 編集部

経歴: 「古物商を始めたいけれど、情報があちこちに散らばっていて不安…」そんな方のために、公的機関の情報をわかりやすく整理し、最短ルートで理解できるガイドをお届けしています。あなたの“はじめての古物商許可取得”に寄り添う編集部です。

※本記事は2025年11月時点の公的機関情報に基づき作成されています。
※個別の法的助言を行うものではありません。具体的な手続きについては管轄の警察署または行政書士にご相談ください。

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