「メルカリで中古品を売るだけなのに、営業所なんて必要なの?」
「自宅の住所をネットに公開するのは、正直ちょっと怖い…」
古物商許可を取ろうと調べ始めて、「営業所」が必要だと知ったところで手が止まってしまった——。
そんな経験はありませんか?
仕事終わりの夜、スマホで「古物商 営業所 自宅以外」「古物商 バーチャルオフィス」と検索して、
同じページを行き来している方が、実は少なくありません。
- 「ECサイトだけで完結するのに、なぜ営業所が必要なの?」
- 「自宅を営業所にしたら、住所が全部バレるの?」
- 「賃貸だから、大家さんに話すのが気まずい…」
- 「バーチャルオフィスじゃダメなの?」
こうした疑問や不安で、申請の準備が1週間、2週間と止まってしまう。そんな状態になっていないでしょうか。古物商許可では、営業所(事務所)を設定する必要があります。
ただし、営業所の選択肢はいくつかあり、自分の状況に合った営業所を選ぶことは十分可能です。
本記事では、
- 営業所とは何か
- どんな場所が営業所として認められるのか
- 自宅・賃貸・バーチャルオフィスはどう扱われるのか
といったポイントを、分かりやすく解説していきます。
そもそも「営業所」とは何か?なぜ必要?
古物商における「営業所」とは、古物の取引を管理する拠点のことです。具体的には、次のような役割を持つ場所です。
- 古物台帳(取引記録)を保管する場所
- 取引に関する書類を保管する場所
- トラブルが起きたときに、警察や顧客が訪問できる場所
「メルカリやヤフオクで取引するだけなのに、営業所なんていらないのでは?」と感じるかもしれません。
しかし古物営業法では、トラブルが起きたときに「ここに行けば責任者や帳簿にたどり着ける」という拠点を、あらかじめ警察に届け出ることが求められています。
これは、「盗品の流通を防ぐ」という古物営業法の目的に基づいた考え方です。
たとえば、
- 盗品が出品されていた場合、警察が取引記録を確認する
- 顧客とトラブルになった場合、営業所で説明や対応を行う
こうした状況に対応するため、実際に行けば責任者と帳簿にアクセスできる場所が必要になるのです。
参考:古物営業法第18条
営業所の判断は都道府県警によって異なる
営業所として認められるかどうかは、都道府県警によって運用が異なります。「A県ではOKだったのに、B県ではNGとなる」ケースも実際にあり得ます。
そのため、営業所の候補が決まったら、まずは管轄警察署のホームページで必要書類や注意事項を確認しておくと安心です。
それでも「電話でどう聞けばいいか不安」「窓口でうまく説明できるか心配」という方は、行政書士などのプロに相談して、警察署とのやりとりも含めてサポートしてもらうという選択肢もあります。
営業所の主な選択肢
営業所の候補としては、主に次のような選択肢があります。
選択肢1:自宅
もっとも一般的で、追加コストがかからない場所です。
メリット:
- 新たに賃貸契約を結ぶ必要がない
- 別途家賃がかからない
- すぐに準備できる
デメリット:
- 自宅住所が公開される(許可証・ホームページ等に記載)
- 賃貸の場合、大家さんや管理会社の承諾が必要なことがある
選択肢2:実家の一室
家族が所有する不動産を営業所にする方法です。
メリット:
- 家賃がかからない
- 自宅とは別の住所を使える
デメリット:
- 所有者(親など)の承諾が必要
- 実際に出入りして帳簿を管理できるかを確認される
選択肢3:レンタルオフィス(条件付き)
実際に入居して常駐できるレンタルオフィスであれば、認められるケースがあります。
メリット:
- 自宅住所を公開しなくて済む
- 賃貸事務所より初期費用を抑えられることが多い
デメリット:
- 都道府県警によって判断が異なる
- 個室タイプでないと認められないこともある
住所貸しのみのバーチャルオフィスは、原則として認められないケースがほとんどです。理由は「実際に行けば責任者や帳簿にアクセスできる場所」とはいえないため。一方で、実際に入居して常駐できるレンタルオフィスであれば、扱いが変わるケースもあるため管轄の警察署に事前に相談しましょう。

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